どくたーすらんぷ あまのさん

医学という特異な世界にどっぷり入り込んだあまのの日常

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アメリカの医学教育

アメリカ病院実習の参加の前に、アメリカの医学教育という本を読んでみました。

もう15年以上前に発売された本ですが、よく日本はアメリカより10年遅れていると言われるため、
そろそろ追いついているころかな?と思いつつ、日本の医学教育と比較しながら読んでみました。

ちなみにこの本の著者は日本人で、日本の大学院を出てからアメリカの医学部に入り直した方です。
この手の人は今でも少ないですが、当時はより少なかったのではと思います。

なるほど学生による教員や授業の評価制度や、学生が主体的に学習するチュートリアル教育など
現在、日本の北のはじっこの大学でも行っている試みが多くみられました。
その他にも、日本の医学教育に既に取り入れられている記述が多く見られました。

そんな中でも、やはり今の日本の医学教育とは全く違う点も多々見受けられます。

その① 心音の講義
--
全米でも大変著名な、ある心臓専門科教授の「心音」の講義。
教授ははじめの10分でごく簡単な解剖の復習をした後に、突然服を脱ぎ始めました。

何が始まるんだと皆があっけにとられていると、
上半身裸になった彼の胸にはマジックで美しく書かれた実物大の心臓と主要な血管の絵が!
生徒達オオウケ

その後、生徒達は各自の机の学習用聴診器(教授の聴診器の音がヘッドホンで聞こえる)にて
教授の心音を聞き始めます。

「これが大動脈弁の閉じる音、これが僧帽弁の閉じる音、、」

続いて、今度は突然教授は教壇の上をぐるぐる走り回り始めました
ついにおかしくなった訳では無く、数分経ったところで息を弾ませながら
もう一度聴診器のヘッドホンを生徒達に用意させます。

「自分には運動時の第二グレードの心雑音がある。さあ聞いてみなさい!」
『トッシュート、トッシュート』

「どうですか?聞こえていますか?(ゼーゼー)」
「すげー!マジで聞こえます!!」

--

・・・・・
これはアメリカの医学教育うんぬんというより、この教授の個性なのでは、、
その②行ってみましょう!

その② 産科実習
--
医学部3年生(日本で言う5年生)の産婦人科実習にて。
担当患者の妊婦は、初めてのお産の不安と緊張で私の指しだした手をギュっと握りしめている。

私の方は私の方で不安と緊張が高まる。
なにせ私が担当医としてはじめてとりあげることになるお産。しかも産科の実習を始めて2日目!
もちろんそんな事は口には出せない。
ベテランの風格を必死で出しながら母親に励ましの声をかける。
--

・・・・・
マジっすか!?
どうやらアメリカでは医学生がお産の取り上げを当然のように行う模様です。
医学生は必死で分娩について学ぶらしいです。
そりゃあそうだ。

その他、内科の病棟患者は3、4年生の学生と研修医でチームを組んで行い、
患者が急変した時は看護師がまずポケベルで呼び出して指示を仰ぐ相手は学生だったり

外科、救急でも学生はチームに組み込まれ週に二回当直が入ってたり

採血、静脈点滴、尿道導入、脊髄穿刺、骨髄生検、胸管挿入まで学生が普通に経験したり

実習の実技試験では、問診、身体診察、治療の処置オーダーや患者の栄養相談まで求められたり


なんだか、これはもう日本の研修医並なんじゃないかと思えるほどでした。
その他、出席を取る講義が無いにもかかわらず出席率は97~99%であったり、
教員の授業や実習への駆り出されっぷりなど、教育に関する熱意が半端無いと感じました。

実際、アメリカでは4年制の医学部以外の大学を卒業してから、大学院として医学部4年間に通い、
しかも半分位の人たちは大学を卒業してから学費やらを貯めて医学部に行く事になるため
高校を卒業してすぐに医学部に入る日本とはちょっと事情が違うのかも知れませんが…

いずれにせよ、これから見学するアメリカのお医者さん達は、
こんな医学教育を受けてきた人たちなのだなあ、という認識の元実習を受けようかと思います!

ちなみに今日はぷらぷらフィラデルフィア観光をしつつ、
トーマスジェファーソン大学の学生寮に無事たどり着きました。

2人用の部屋ですが、
キッチンには四人がけテーブル・居間にはテレビとソファー・トイレ、シャワー、ウォークインクローゼットまであり
なんだか3人家族くらいなら広々と住めるんじゃないかというくらい広い部屋です。

ふと、
六畳のワンルームを二人でシェアしていた、寮費6千円台の東大 豊島学寮(巣鴨)の事を思い出しました。
文化の違いというモノをマザマザと感じずにはいられません。
  1. 2012/03/23(金) 10:07:30|
  2. 医学部関連


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